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情報処理技術者試験 〜各試験の対象者、取得順序



今回は対策は一旦お休みして、情報処理技術者試験について書いていきます。IPA内でも各試験対象者の役割に差があります。

各対象者像

以下、IPAが公表している対象者像です。 
10種類以上あるので、だいぶ長いです。。。

ITパスポート

職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者

基本情報技術者試験

高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者

応用情報技術者試験

高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者

ITストラテジスト

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステム・IoTを利用したシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者

プロジェクトマネージャ

高度IT人材として確立した専門分野をもち、組織の戦略の実現に寄与することを目的とするシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を単独で又はチームの一員として担う者

システムアーキテクト

高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステム・IoTを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する者

ネットワークスペシャリスト

高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者

データベーススペシャリスト

高度IT人材として確立した専門分野をもち、データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者


エンデベッドシステムスペシャリスト

高度IT人材として確立した専門分野をもち、IoTを含む組込みシステムの開発に関係する広い知識や技能を活用し、最適な組込みシステム開発基盤の構築や組込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行う者

ITサービスマネージャー

高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの要求事項を満たし、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する者

システム監査技術者

高度IT人材として確立した専門分野をもち、監査対象から独立した立場で、情報システムや組込みシステムを総合的に点検・評価・検証して、監査報告の利用者に情報システムのガバナンス、マネジメント、コントロールの適切性などに対する保証を与える、又は改善のための助言を行う者

情報セキュリティマネジメント

情報システムの利用部門にあって、情報セキュリティリーダーとして、部門の業務遂行に必要な情報セキュリティ対策や組織が定めた情報セキュリティ諸規程(情報セキュリティポリシーを含む組織内諸規程)の目的・内容を適切に理解し、情報及び情報システムを安全に活用するために、情報セキュリティが確保された状況を実現し、維持・改善する者

情報処理安全確保支援士試験

サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者

取得時期、取得が推奨される職種など

IT系の会社の場合、大体ですが以下のようなイメージです。あくまでもイメージです。セキュリティ系の資格も取得が推奨されていることが多いと思います。

  • 新人〜2,3年目 ITパスポート
  • 新人〜10年目 基本情報
  • 3年目〜10年目 応用情報
  • 3年目〜 情報セキュリティマネジメント
  • 5年目〜 情報処理安全確保支援士

IT技術の基本を学ぶという意味でITパスポート、基本情報、応用情報の資格取得を推進している企業は多いです。IT関連の仕事をしている場合は若いうちに取得するといいと思います。

 

以下は各仕事の種類や役割によって取得が推奨されるものです。以下資格はいずれも高度情報と呼ばれるもので、各分野の最高峰の試験となっています。

 

ネットワーク系の仕事(ネットワークエンジニア、ネットワーク機器メーカー、回線ベンダーなど)
ネットワークスペシャリスト
 
データベース系の仕事(データベースエンジニア、データサイエンティスト、アプリケーションSEなど)
データベーススペシャリスト
 
組み込みシステム系の仕事(IoT機器メーカー、家電メーカー社員など)
エンデベッデッドシステムスペシャリスト
 

システム導入の管理者、管理職
プロジェクトマネージャ
 
営業職、コンサル職、セールスエンジニア
⇨ITストラテジスト

システム設計者、アプリケーション導入などの仕事
システムアーキテクト

 

システム運用保守、サービス提供している会社など
⇨ITサービスマネージャ


監査室、会計コンサルなどの仕事
システム監査技術者

よくある取得パターン

よくある取得パターンは以下の3つのパターンです。
普段の仕事がアプリケーション系の仕事か、インフラ系の仕事か、もしくは管理職かで変わります。 

アプリ系エンジニアの場合
  • ITパスポート ⇨基本情報 ⇨応用情報 ⇨データベーススペシャリスト ⇨システムアーキテクト ⇨プロジェクトマネージャ
  • 仕事内容が、アプリケーションの一部分を開発→データベース関連の構築→アプリ全体の設計→プロジェクト管理 と推移するケースが多いので、このような取得順序になることが多いようです。
インフラ系エンジニアの場合
  • ITパスポート ⇨基本情報 ⇨応用情報 ⇨ネットワークスペシャリスト(もしくはエンデべッデッドシステムスペシャリスト)⇨ITサービスマネージャ⇨プロジェクトマネージャ
  • 仕事内容がネットワークやインフラ構築→インフラ設計→運用も含めた設計→プロジェクト管理 と推移しやすいので、上記のような順序になりやすいです。
管理職の場合
  • プロジェクトマネージャ ⇨システム監査技術者、ITストラテジスト
  • 人員管理が仕事ですので、プロマネは取得が推奨されることが多いです。管理職から経営層に移動することなどから、システム監査、ITストラテジスト取得も推奨されていることが多いようです。

私はインフラ系エンジニアでした。ただ、会社からはITパスポート、基本情報、応用情報は取らなくていいと言われていたので受験していません。試験も春と秋でそれぞれ違う科目になるため、セキュリティスペシャリスト(現情報安全確保支援士、春)⇨ネットワークスペシャリスト(秋)⇨プロジェクトマネージャ(春)⇨ITサービスマネージャ(秋)⇨システム監査技術者(春)⇨ITストラテジスト(秋)⇨システムアーキテクト(秋) の順で取得しました。

取得メリット

取得のメリットはたくさんあるのですが、特に転職時、部署異動したい場合などには有利に働くと思います。ネットワーク系の会社へエンジニアとして転職したい場合はネットワークスペシャリスト、アプリ系開発を行いたい場合はシステムアーキテクトやデータベーススペシャリスト、営業として転職したい場合はITストラテジスト、といった具合で有利になると思います。

システム監査は求人自体が少ないと思いますが、この資格が最高難度と言ってもいいレベルですので、この資格を持っているだけでも一目置かれると言ってもいいと思います。

合格を目指す皆さん、ともに頑張りましょう。